第22章 愛しい瞳

最強の男がこんなにも不安気な顔をしている。それは私にだけ見せてくれるありのままの五条悟だ。




愛しい、愛しくてたまらない。




私はそのまま悟の首元へと腕を回すと、グイッと引き寄せるようにして彼の唇を塞いだ。





「……っ…」





悟はそんな私の珍しい行動に、驚いたように目を見開いたが、しばらくすると瞳を閉じ嬉しそうにそれを受け入れる。




サラサラと触れてくる髪が少しばかりくすぐったい。だけど今はそれすらも全て愛おしくて、そして久しぶりの彼との熱い感覚に身体が麻痺したみたいに幸福感を埋めていく。




「………っん…」




どちらともなく絡め合った舌は熱く甘い蜜を溢し、そしてたまらなくゾクゾクとした感覚で身を震えさせた。




「…ヒナ」




悟の色っぽい声が優しく耳を掠め、そして冷えた指先が首筋をするりと撫でる。そのままゆっくりと降りていくようにして腰を強く引き寄せれば、絡み合っていた舌先がくちゅくちゅといやらしい音を立て唾液を溢す。