第18章 呪術界の中心
好きなんて言葉じゃ表せられない。
愛しているなんて言葉じゃ到底伝えられない。
そんな感情を僕は君に持っている。
もしも心の全てを君に見せられるとしたら、きっと君は僕から離れていくかもしれない。それほどまでにこの感情は厄介なモノで出来ているんだ。
「…可愛いな」
どんな夢を見ているのか、小さく眉間にシワを寄せたかと思うと次の瞬間にはふわりと小さく笑みを見せる。
彼女の笑顔が大好きだ。まるで大輪の華が咲いたみたいに明るく可愛らしい笑顔が。
少しばかり色素の薄い髪が好きだ。指を絡めいつまででも触っていたくなる。
華奢で小さな身体も、誰にでも好かれるような人垂らしな性格も。
見た目に似合わず、激しく鋭い呪術師としての姿も。
優しく僕の名前を呼ぶ愛しい声色も。
何もかもが好きだ。何もかもを僕のモノにしてしまいたい。
何処かに閉じ込め誰の目にも触れないようにしたいし、僕だけしか見えない世界に閉じ込めておきたい。
「ふはっ、本当僕の頭の中ってイカれてるよね。君を独占したくてどうしようもないんだ」