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【呪術廻戦】こんなにも君が好き

第4章 特級呪物



その10秒間はとても長いような短いような…私には判断する事さえ出来ないほどの出来事が目の前で繰り広げられていて。



「そろそろかな」という悟の落ち着いた声と共に、少年の身体全身に浮き出ていた模様がスーッと波が引いていくようにして消え去った。




「おっ、大丈夫だった?」



「驚いた、本当に制御できてるよ」



「でもちょっとウルせーんだよな、アイツの声がする



「それだけで済んでるのが奇跡だよ」




悟は少年に今一度近づき、彼の額に指2本を添えると。その瞬間がくりと倒れ込んだ彼を片手で受け止めた。




「何したんですか」



「気絶させたの、これで目覚めた時宿儺に体を奪われていなかったら彼には器の可能性がある」




悟は恵君へと視線を移すと、珍しく落ち着いた声のトーンで話し始める。



「さてここでクエスチョン、彼をどうするべきかな」



「…仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖は処刑対象です。でも、死なせたくありませんッ」



真剣な眼差しで悟を見つめる恵君、いつも冷静な彼がこんな事を言うなんて。どうやらこの少年との間に何かがあったのは間違いない。




「…私情?」



「私情です、何とかしてください」



そんな恵君に悟は「クックック」と喉を鳴らし楽しそうに笑って見せると「カワイイ生徒のためだ、任せなさい!」とにこやかに笑いながら親指を立てた。




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