第16章 本当のところ
「なるほどね、悟も大人になったんだね」
「いや、ちょっと僕のことナメすぎじゃない?」
「よく言うよ。昔は、五条家当主?そんなのおっえーだわ。とか言っていただろう?」
「え?僕そんな事言ってた?」
「いってたな」「うん、言ってた言ってた」と傑に同調する私と硝子を見て「いや〜僕も青かったなー」なんてケラケラと楽しそうに笑っている。
本当にそうだ。あんなにも若く青かった私達が、今はこうして結婚の話をしている。それは凄く時の経過を知らせると共に、自分達が大人になったんだということを分からせた。
「まぁ式には呼んでくれよ。早めに声をかけてくれるなら、生徒達と楽しい余興でもしようかな」
クスクスと笑いながら切長の瞳を細める傑は、冗談なのかそうでないのか分からないが、一体傑と生徒達がやる余興とはどんなものかとそそられる。
「え、傑余興やってくれんの?ウケるんだけど」
確かにウケる。
「夏油と生徒達の余興か、それは私も興味があるな」
どうやら皆んな同じ気持ちらしい。傑と生徒達がどんなコラボを見せてくれるのか、今から正直楽しみだ。