第16章 本当のところ
「というわけで、僕達めでたく両思いになりましたー!!拍手!!」
私の肩を抱き寄せながらそうテンション高く言い放った悟を、高専の自動販売機前に立つ傑と硝子は心底面倒臭そうに…そして呆れたようにげんなりとこちりを見つめていた。
「やっとか」
「ここまで長かったね」
「え?傑も硝子も悟が私のこと好きだって知ってたの?」
「まぁな、別に知りたくなくてもバレバレだった」
「そうだね、出会ったその日のうちに気が付いたよ。なんなら呪術界のほとんどの人間が知っているんじゃないかな?悟の牽制が怖いから」
そのあまりに衝撃的すぎる言葉に、思わず目を見開く。バレバレだった?出会ったその日のうちに気が付いた?なんなら呪術界のほとんどの人間が知っている??
それに20年以上気が付かなかった自分って一体…
鈍いを通り越してもはや呆れてしまう。悟が呆れずにいてくれた事だけがせめてもの救いだ。
「悟…よくこんな私をずっと好きでいてくれたね」
「ははっ、どうしたのいきなり?やっとどれだけ僕が一途か気が付いたの?」
ニコニコと笑顔を見せる悟は、同期二人の前だというのも気にせずぎゅっと肩を引き寄せ、私の頭にこつんっと自身の白髪の頭を乗っけた。
まぁこの二人からしてみれば、こんな事どうってことないのかもしれない。元々ただの幼馴染だった時から、私と悟は割と距離感が近かったから。