第15章 隠れた気持ち
ニコニコと微笑みながら嬉しそうに私を抱きしめる腕はやはり逞しくて、世界の平和はこの腕によって守られているのだと思うと、こうして悟に抱きしめてもらえる私は、何だかすごく特別で贅沢な気がした。
「そんないきなり毎日は無理だけど…でも、私ももっと悟とくっついていたいって思うよ」
素直にそう呟き彼を見上げれば、悟は目を丸め驚いた表情をした後「あーもう!マジで幸せすぎる!!」と部屋中に響くほど大きな声を出すと、私をしっかりと強く抱きしめた。
「僕達これで本物の婚約者になれたね」
「ん?どういうこと?」
「心も身体も繋がって、めちゃくちゃラブラブな婚約者だねって意味だよ♡」
「ちょっと言い方!ストレートすぎるから!それ傑とか硝子の前で言わないでね…?もちろん生徒達の前でも」
「分かってるよ〜いくら空気の読めない僕でもそんなこと他人に言わないって。だってそんなこと言ってヒナの裸想像されたら嫌だし。下手したら殺しかねないから」
「…またいきなり物騒なことを…」
「事実だよ?あ、そうそう。僕ってめちゃくちゃ嫉妬深いから気をつけてね。今まではヒナが僕を好きじゃ無いって分かってたから色々我慢してたけど、もうその心配もなくなったしね!これからはガンガン嫉妬していくから」