第11章 甘い休暇
もちろん、いつも連れて行ってくれるとろけるほど美味しいお肉のお店や、値段の書かれていないお寿司屋さんも悟が選んでくれたお店はみんな美味しくて好きだけれど、今日のデートでこのお店に連れてきてくれた事がとても嬉しく感じる。
運ばれてきたおすすめ日替わりランチはとても美味しくて、頬が落っこちそうなくらいに絶品だった。
「美味しくて最高だった!」と言えば、悟は凄く嬉しそうに「また来たいね」と言って優しく微笑んでくれた。
その後は駅の近くに戻って色々と買い物をした。2人でお揃いのマグカップを買ったり、悟が私に似合う服を選んでプレゼントまでしてくれた。デートってこんなに楽しいんだ。と、何だかとてもふわふわとした気持ちになる。
それは恋愛映画や恋愛漫画などで憧れていたキラキラとした世界そのもので、デートの素晴らしさを初めて知った。
悟と出かけた事は今まで何度だってあったはずなのに。こんなキラキラとした感覚は初めてだったのだ。
もちろん今までだってすごく楽しくて、悟と出かければいつも笑顔が絶えなかったが。今日は何故だかいつもよりもさらに楽しくてワクワクして。あぁ、これが友人と遊ぶのと、デートとの違いなのかとやけに納得した。
どうして、遊びとデートとでそこまで違う気持ちになるのかは正直分からなかったけれど…だけど今日のお出かけが、私にとって特別だってことは良く分かった。