第10章 特級呪術師
交流会当日
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「さて、どこからいこうか」
地上からはるか上空にて、辺りを見下ろしながら数ある呪力を感じる。
そして少し先に立っている悠二を見つけニヤリと口角を上げた。
悠二のレベルが格段に上がっている。
そうか、葵か。確かにアイツは悠二と相性いいだろ。特級とやり合ってるみたいだけどこれなら心配いらないね。
となると優先すべきは…
「オマエだな」
指先を絡めるようにしてパンっと強両手を合わせれば、周りの景色が一瞬にして変化する。片手をポケットに入れながら一歩踏み出せば、そんな五条の姿を見た呪詛師が斧を勢いよく振り回した。
「殺すな!!!」
京都の学長の声を背に、一瞬にして発動した術が呪詛師を飛ばす。ねじれるようにして引きちぎられた手足はなんとも無残な姿になっている。
「コイツには色々と聞かないといけない。死なせちゃだめだよ、ほら手当して」
僕の言葉にイラついたのか、ピクリと眉を歪ませたおじいちゃんは軽く眉間に皺をよせながらも言葉を飲み込み歯を食いしばった。