第10章 特級呪術師
悠二君が作ってくれた鶏肉団子鍋を食べながら、2人で映画を見る。
「すっごく美味しいね!この肉団子」
「本当?やった!それ五条先生と伏黒も好きなんだよ。俺が外に出れるようになったら皆んなで鍋パしたいなぁ」
「良いね!皆んなでやろう。美味しい鶏ひき肉買ってくるよ〜」
そんなことを2人で話しながら、悠二君の作ってくれたお鍋を夢中で食べている時だった。
「悠二!と…あれ?ヒナもいる」
「五条先生!?」
「悟??」
突然現れた悟に、食事をしていた箸がピタリと動きを止める。
「出かけるよ悠二、課外授業。呪術戦の頂点【領域展開】について教えてあげる。あ、ついでにヒナも来なよ。デートだと思ってさ」
ソファーの目の前にやってきた悟は、ヒョイっと悠二君を小脇に抱え、そして私を反対の手で抱き寄せるようにして持ち上げるとパッと一瞬にしてあたり一面の景色が変わる。
昔から何度も体験したことのあるこの感覚。悠二君は何が起きたのかと目をキョロキョロとさせ「どこ!?ねぇここどこ!?」と焦ったように口を開いている。
いや、これがデートって…一体どんな流れですか…と思いながらも、ふと恐ろしいほどの呪力を感じとり、一瞬にしてそっちへと意識が持っていかれる。