第9章 嫉妬とやら
だけど目の前の悟はその表情を変えることなく、未だ心配そうな顔ををしたままで。
「本当に平気だよ、緊張してるだけで。そんなに痛くもないし」
再び口を開いた私に、やっと悟は安心してくれたのか「本当に痛かったら絶対に言ってね」と不安げに念押しをすると「うん、わかったよ」と相槌を打った私の額に優しくキスを落としてもう一度指を中へと入れていく。
ゆっくりゆっくりと侵入してくる初めての感覚に、最初はピリピリとしていた痛みも、悟が丁寧で優しいおかげか次第にその痛みは薄れ馴染んでいく。
むしろそれどころか、彼の指を3本呑み込む頃には、すっかり私のアソコは解されていて。
「…あっ…んっ…さと…ッ」
くちゅくちゅと寝室に響き渡る水音と、自分のものだと分からないほど甘く轟くその声色に羞恥心を覚えながらも、痺れという名のその快感にビクビクと何度も背中を揺らした。
「ヒナ、痛くない?」
キスをしながら私の顔色を伺う悟も、先ほどまでの余裕な表情はなくどこか色めかしく私を見下ろしている。
「痛く…んっ…な、い」
「じゃあ気持ち良いかな?」
「ふっ…あッ…そんな、こと…聞かなっ、で…」
嬉しそうに、だけど何処か意地悪気に聞いてくる悟はその碧色の瞳を細めながらクイッと口角を持ち上げた。