第18章 白虎のお里に行ってみよう
「昔だったら、多少強引にでも好き勝手出来たんだろうけど、今の根の立場は、暗部の間じゃ凄く悪いんだよ。だから、証拠の捏造や隠蔽はまず出来ない。解読も合同で行わなければ信憑性に欠ける。」
「ふ〜ん、信用を失うくらいには色々やらかしてるって事なんですかね。だから根に不利であっても、揉み消しが不可能だったんですか?」
「ま、そんなとこだな。」
「全部予想通り?」
「ドンピシャ。」
ほへぇ…。
相変わらず、すげぇ人。
細かい所までしっかり計算に入れてるよ。
「んで、解読された任務書を見て、これはどういうことだ?ってなったんだ。」
綱手様はダンゾウと上役に。
上役はダンゾウに。
ダンゾウは手痛いしっぺ返しを食らったね。
でも綱手様も、うちはに関する密命を勝手に出したってことで、お小言くらいは食らうだろうな。それに私、弟子だしね。
それで、痛み分けか。
けどまぁ、有利な痛み分けには持っていくだろうね。
「そいうこと。で、本物の禁書はサカキが別ルートで持ち出して、嫌疑が晴れた俺がサカキと合流して、改めて受け取ったって寸法。」
「え、サカキってあのサカキさん?」
暗部の先輩の?
っていうか、二重の策かよ…。
「そ。リツだって随分気を揉んでたんだからな。暗部じゃ、あの二人が一番お前の身を案じてたの。」
「あー…ははは。ご心配かけました…。」
リツさん怒るだろうな。
けど、心配してくれたのは素直に嬉しい。