• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。second

第9章 久々に血が騒ぐわ…!





「おっはようございま〜す!」

ガチャっと開けて第一声。
声がデカかったらしく、斬不斬さんから顔を顰められた。

「もう治りやがったのかよ。あと二日くらい沈んでりゃあいいのに…。」

「ひどいわ〜。そこは元気になって良かったねって言ってくださいよ。」

そこへ、隣の書類室から白が出てきた。

「おはようございます。エニシさん、治って良かったですね。」

「ありがとう、白。見て、斬不斬さん。この完璧な対応。是非とも見習って。」

「喧しい。余計なお世話だ。」

こっちを見ようともしない斬不斬さん。
段々とあしらわれ始めたわ。

「あ、そう言えば。イタチさんから伝言を預かってます。用があるとのことで、先に行く、と。」

「あ〜…、そっかぁ…。」

行っちゃったかぁ…。

ま、しゃーない。
あとで追いかけよう。

「んじゃ、まずはお仕事しますか。」

「もう、大方片付いた。だからさっさと行け。」

「え、いやでも…」
「エニシさん。今回もありがとうございました。方向性もしっかりしましたし、後は僕達だけでも大丈夫ですよ。」

…そう言われちゃうとね。
ちょっと困りながらも二人を見ると、白はにこにこと、斬不斬さんはツンと無反応。

「私今回、そんな活躍してない気もするんだけども。」

そう言ったら、白から苦笑が返ってくる。

「何言ってるんですか。しっかり、解決しましたよ。」

「全くだ。残党を全滅させといてよく言うぜ。」

「タズナさん達の停滞も道標をつけましたし。」

「…そう?」

年々、”やり切ったぞ”感が薄らいでってるんだけども。
まぁでも、そう言ってもらえるなら来た甲斐はあったってことでいいのかな?

「じゃあ…、お言葉に甘えて。そろそろお暇します。」

そう言って、ドアから出ようとしたところで、白から袖をくいっと引っ張られ、振り返った。

「エニシさんの守りたいものを守ってきてください。」

こそっと言われたその言葉に、一瞬驚いてから思わず笑顔になった。

「ありがと、白。」

「はい。では、お気をつけて。」

「うん、じゃまたね。」

私は部屋に戻ってさっと荷物を纏めると、イタチの後を追いかけ始めた。

/ 802ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp