第2章 百鬼夜行
夏油傑は乙骨と里香の主従関係を断ち切る事に失敗し、特級過呪怨霊折本里香を手に入れるという算段は敢えなく散った。
そして乙骨との戦いに敗れ致命傷を負った夏油は敗走し、その先に現れたのは…
「ーーーーまさか君で詰むとはな。」
かつて青春を共に過ごした友。
「・・・・何か、言い残すことはあるか。」
最期を確信した夏油の口から、当時は出せなかった本音が自然と溢れ出た。
「・・・何も高専の連中まで憎かったわけじゃない。
ただ、この世界では私は心の底から笑えなかった。」
どこか遠くを見ながら夏油は力無い表情を浮かべた。
「それから彼女…を絶望から救えるのは私だと思っていたが、、、フッ、、どうやら違うらしい…。
ーーーー悟、頼めるかい?」
五条はその場にしゃがみ込み、壁にもたれ掛かる夏油と同じ高さに目線を合わせると深く頷いた。
「あぁ。」
これが2人の最期に交わした約束になった。
こうして夏油傑が企てた百鬼夜行は幕を閉じたーーーーー。