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乙女のしとやかさ【宇髄天元】【鬼滅の刃】R18♡あり

第1章 1 新しい朝


〇天元様パート


だんだんと空が白んできて、夜明けが近づいていた。
空には有明の月がうっすらと顔を覗かせている。

宇髄は1人、自宅の縁側で夜が明ける様を眺めていた。
同室で、まだすやすやと寝ている愛しい3人の嫁に
ふっと視線を移した。

約ひと月前に鬼舞辻無惨との戦いを終え、
ようやく平和な日々を送っていた。
忍びとして人の命を手にかける必要も、
鬼との戦いの中で命を危険に晒したり、
仲間を失うことも無くなった。

本当の意味で平和を手にした。
こいつら3人の嫁には、忍びの里の時代から柱を引退して
一線を退き若手の隊士の育成をしていた時代まで、
本当に長い間世話になった。
元はと言えば、俺の家の勝手なしきたりで嫁いできた3人だが
俺は3人を家族として、嫁として、女として
今まで愛してきたつもりだ。



でも、平和を手にして、ようやく自分自身と向き合う
時間が取れた今、俺はこいつら3人に対する後悔の念と
申し訳なさに苛まれていた。

俺の家の勝手なしきたりで、勝手に嫁がされ、
俺のかってな気持ちで鬼殺隊に入隊させられ、
果ては鬼の住む遊郭への潜入で命を危険にさらされた。
あいつら3人は、文句1つ言わなかったが
本当は嫌だったんじゃないか?
逃げたかったんじゃないか?
心のどこかでは俺を憎んでいるかもしれない、、、、、


俺は今まで、3人に対して、
平等にめいっぱい愛情を注いできたつもりだが、
今になって自信がなくなっていた。
これから先も、あいつら3人だけを愛していくつもりだし、
死ぬまでずっと一緒にいたいと思っている。









でもそれが俺の独りよがりだとしたら??










本当の意味で平和になった今だからこそ、
俺は雛鶴、まきを、須磨の3人を本当の意味で、
自由に解放してやることに決めた。






心から愛しているから、幸せになって欲しいから



俺はこの悲しい選択をすることにした。
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