第61章 相性最悪
第61話 相性最悪
解放されて、活躍しようと意気込むナルトは、敵に拳を突き出した。
ナルト「いよっしゃぁぁあ! 今から俺が相手だってばよ!」
《……チッ、こいつらのチャクラを奪い尽くすには、まだ時間がかかる》
術者がチラリと視線を向ければ、チャクラを奪われ続け、脂汗をかいているシカクとカカシ。だが、まだまだ余力を残している。
《……この状態でこいつらを解放すりゃ、俺たちは終わりだ》
しかし、この土遁の術を維持しながら、自らも戦うというのは中々骨が折れる。
《が、現状……それしかねぇか》
仲間と二人で七人の敵を相手にするよりも、戦闘能力に制限はあるが、子ども三人を仲間と仕留める方が容易だろう。
《さっきからうるせぇあのガキの実力は分からねぇが、解放されてからの振る舞いを見てりゃ、たいした事は無さそうだ。もう一人の影を使う男も仕留められる。厄介なのは……》
シカク「キリ!!」
キリ「!」
『女。お前だけだ』
キィンッと、術者とキリのクナイがかち合った。
『ガキだと思って油断した。たいしたもんだ』
キンキンと、辺りに金属音が激しく響き渡る。
『もう加減はしねぇ』
キリ(……っ)
その言葉通り、隙あらばキリを仕留めるつもりで放たれる一撃一撃がひどく重い。
ガード上からでも内に響くダメージに、キリは後退を強いられる。
ナルト「らぁぁっ!!!」
キリ.術者「!!」
ナルト「俺がいること忘れてんじゃねぇってばよ!! キリ、こいつは俺がやる!!」
キリ「ならサポートに入るわ」
そう言ってクナイを手にしたキリを、ナルトは手で制する。
ナルト「俺に任せろってばよ!」