第45章 獣的本能を持つ奴ら
リー「いえ、以前の君との戦いで僕は少し自信を持つことが出来たのですが、あの戦い……キリさんは万全な状態では無かったんですね」
くうっと目の上を押さえて、悲しむリーに、キリは首を振った。
キリ「違うわ。あの時……確かに私は刀を持っていなかったけど、それは私の都合であなたには関係ない」
リー「!」
キリ「私はその時のベストを尽くして、あなたの強さに敵わず負けた。そのことは変わらないわ」
リー「……キリさん、やはり君とは仲良くなれそうです」
「ありがとうございます」と、立ち上がったリーとキリ達は修練場へと足を運ぶ。
互いに向かい合うキリとリーは、手を合わせて一礼をおこなう。
キリ.リー「お願いします」
そうして、二人が構えに入ったところで、ガイから開始の合図が飛んだ。
ガイ「はじめっ!!!」
リー「先手必勝! 木ノ葉旋……っ!!」
キリへ攻撃を繰り出そうとしたリーは、突如その体を半転させた。
それとほぼ同じタイミングで、キリの刀の切っ先がリーのすぐ隣を通る。
ガイ(速いっ……!)
キリ「……初撃で終わるつもりだったけど、残念」
リーもまた、戦闘中にどんどんボルテージが上がっていくタイプの人間であるため、勢いづくその前にと考えていた。
こちらもかなり集中力を高めて、これ以上ない絶妙なタイミングで抜刀をしたはずなのだが、それを避けられてしまったのは少々想定外だった。
リー「そう簡単にはいきません! 今回も僕が勝たせてもらいます!」
シカ「まじかよ……今のよく見えたな」