第45章 獣的本能を持つ奴ら
リー「これはこれは! キリさん! それに君も! この前はうっかり名前を聞くのを忘れていました」
「是非教えて下さい」と、ニカッと笑顔を見せるリーの濃さに少々引きながらも、シカマルは口を開いた。
シカ「あー、キリと同じ下忍の奈良シ」
リー「おっといけない!! 人に名前を尋ねる時は自分から名乗るべきですね! 僕とした事が礼儀を欠いてしまう所でした!! すみません! 僕の名前はロック•リー、第三班の下忍です!」
ガイ「そうだリー! 良く気が付いた! もう少しでこの熱き鉄拳が飛ぶところだったぞ!」
はっはっはっと笑い合う二人。何故だろう出会ってものの数分で、何やら酷く疲れた気がするのは。
シカ「……奈良シカマルだ」
キリ「この前……? あなた達知り合いだったの?」
リー「はい。数日前にですね、シカマルくんはキリさーー」
シカ「あーちょっとな、任務帰りに会っただけだ」
「知り合いってほどでもねぇよ」と言えば、キリは少し首を傾げながらも、それ以上言及してくる事はなかった。
「あんまり余計なことは言うなよ」と、リーに視線を送れば、リーはふるふると身震いをして、ビッとシカマルに親指を立てた。
リー(キリさんを思ってのあの言動を隠しておくなんて……シカマルくん、君はなんてかっこいい男なんでしょうか! この秘密、心して守らせて頂きます!!)
何やら、決意のこもっているキラキラした熱い眼差しを向けられて、シカマルはそれを三歩ほど引いた状態で受け止める。
シカ(……まあもうなんでもいいか、めんどくせぇ)
キリ本人に言わないのであれば、もうどうだっていい。
そんな激しい温度差を見せていれば、リーは閃いたようにポンっと手を合わせる。
リー「そうです! キリさん、シカマルくん! 今から君たちも一緒に修業をしませんか!!」