第43章 失敗

キバ「どういうことだよ？ 俺たちが……ヒナタのせいで怪我するかもしれねぇってのを気にしてんのか？」

シノ「ヒナタ、どうなんだ」


今、キリが言ったことは本当かと、二人がヒナタを見つめれば、ヒナタは再び視線を落とした。


ヒナタ「ご、ごめんなさい……っ」


その謝罪が、肯定を意味していることに気付いて、驚いた様子のキバは、シノと顔を見合わせる。


キリ「私も、そうだった」

ヒナタ「！」


その言葉に反応して、顔を上げたヒナタに、キリは小さく微笑みかける。


キリ「本当についこの間まで……私もそれが怖くて、上手く出来なかった」


ヒナタ「いま……は？」

キリ「今は、もうしない」



そうすることで、傷付くのは自分だけじゃないと知ったから。

だから、もうしないとそう決めた。



キリ「あなた、仲間に信用がないの？」

ヒナタ「！」


キリの言葉に、目を丸くしたヒナタは首を振った。


キリ「ヒナタがそんな風に思っていることは、傷付くらしいけど」

それは、キリもシカマルと話して分かったことだった。


ヒナタがちらりとキバとシノに視線を向けると、二人の表情に影があることが分かり、慌ててぶんぶんと首を振る。


ヒナタ「ちがっちがうの！ キバくんとシノくんがとても強い人だって分かってる……！ で、でも……もしもわたしのせいで……」