第41章 弱み
キリ「くっ……!」
互いのクナイが合わさり、ぶるぶると腕を震わせるキリが、シカクの力に押し負けて、上体を後ろへと反らした。
そこへ迫ってきたシカクの掌打をキリはひらりと回避する。
シカク(身のこなしはさすがだな。ただ、そんな風にシカマル気にしてりゃいつまで経っても俺には一撃も入らねぇぞ)
そんな戦いが少し続いて、この均衡は後方から一気に崩れを見せた。
シカ「かはっ」
よく耐えてはいたが、ついにシカクの影分身から腹部へもろに攻撃をもらったシカマルは、ごろごろと地面を転がっていく。
それに合わせて、キリの意識も後方へと逸れた。
キリ「!!」
シカク(これで終わりだな)
シカ「ちっ」
苦し紛れに、ひとつふたつと繰り出すシカマルの土遁の術を、シカクは容易に躱していく。
そして、シカマルのもとへ援護に向かおうと半身を返したキリに、手刀をいれようとした時。
キリの体がシカクの視界から消えた。
シカク「!!」
姿勢を落しながら、くるりとシカクの背後に回ったキリの重たい肘打ちをガードする。
シカク「っ……」
キリ「はぁっ、はっ」
キリの額からぽたりと汗が落ちた。
チラリとキリがシカマルを見れば、次々と土遁の術を繰り出して、なんとかシカクの影分身と距離を保っているのがわかる。
彼は、無理な時でも助けが来るまでは粘ると言った。後ろは自分に任せろと。
キリは、スッと息を吸い込んで、刀に手をかけた。
キリ(このまま……押しきる……っ!)
シカク「!」
横薙ぎに払った刀は、ずばっと空気を切る音がして、シカクの数センチ手前を通る。
シカク(あぶねぇっ……!)