第25章 旅芸人
シカ「んな事言ってんじゃねーよ。第一これじゃ立ってる時と高さあんまり変わらねー………あ、見えた」
荷物のように抱えられているシカマルにもまた、旅芸人が口から火を輪っか状にして吹き出している所が見えた。
シカク「おぉ、すげーな」
キリ「はい、凄いです」
相変わらず、小さく身を縮めてはいるが、しっかりと旅芸人を見ているキリにまた笑みがこぼれる。
旅芸人のショーがなかなか目を見張るものばかりで、結局、最後のお辞儀が終わるまで見続けていた。
そのお辞儀にぱちぱちと小さく拍手をしたシカマルとキリ。
二人はシカクの手によって、久しぶりの地面を踏むことになる。
シカク「面白かったな」
こくりと頷いたキリと、首を傾げているシカマル。
シカ「人ってあんなこと出来んのか……?」
今度こそ家への帰路をゆく三人は、先ほどのショーの話で持ちきりだった。
シカク「風船ってあんなにしても割れないもんなんだな」
キリ「鹿も、作れるんでしょうか」
シカ「作れんじゃねーの、犬もライオンも出来んだからよ」