第5章 柱合会議
それから。
炭治郎が不死川に頭突きをさせてくれと一悶着あったが、無事に炭治郎と禰豆子の処分の話はなくなり、隠により炭治郎は蝶屋敷へと運ばれていった。
「さて、柱合会議を始めようか」
産屋敷が座り直し、柱合会議が始まる。
会議の内容は多岐に渡った。
先日の那田蜘蛛山での仔細報告では現場に居た数名の隊士が会議に呼ばれ詳細を話した。
鬼舞辻の動きも最近活発になり、隊士の育成が急務になっている事や、育手や柱の継子の話等も会議に上がった。
そして最後に、産屋敷は名前の方を見た。
「本来は最初に紹介すべきだったが、皆ももう承知の事だと思い最後にしてしまったが……名前」
『はい、お館様』
産屋敷に名前を呼ばれ立ち上がり、柱の前に出てもう一度膝をつき座る。
「苗字名前が本日より柱となる。名前は下弦ノ陸を倒し、鬼も数え切れない程倒している。下の子達からの人望も厚い。皆、異議は無いね?」
産屋敷が柱達を見ると、不死川が顔を上げた。
「「天の呼吸」についてよく知りたい所ではあるな。前まで水の呼吸を使っていたからなァ」
当然出る疑問だとは思っていた。
名前は産屋敷に視線を向けたあと、柱達を見た。
『天の呼吸は苗字家に伝わる呼吸です。はじまりの呼吸である日の呼吸の守護の呼吸です』
「日の、呼吸……?」
柱達は「日の呼吸」というのも初めて聞いたという顔をしていた。
今、使える隊士が居ないのもその一因だろう。
「日の呼吸?炎の呼吸ではないのですか」
しのぶが名前に問いかける。
『炎の呼吸とはまた違います。天の呼吸は日の呼吸の先祖が呼吸を二つに分けたうちの一つです。』
名前は淡々と説明をする。
産屋敷と、炭治郎が日の呼吸の使い手の可能性がある事はまだ伏せておくという事になっていたので、名前はそこで話を止めた。
「うむ!まだよく分からないが、名前の強さには偽りはない!俺は異論はない!!」
『煉獄さん、ありがとうございます』
煉獄に続き柱の皆々が名前を柱とする事に賛成していった。
「では名前を、天柱とする。よろしくね」
『はっ、精進致します』
名前は身が引き締まる思いで頭を下げた。