第5章 柱合会議
「っ……!!!」
箱に突き立てられた刀。
そこから滴る禰豆子の血。
炭治郎は冷静さを失い、体が痛むのも忘れ足を蹴り、禰豆子の元へと走る。
『炭治郎!!』
「俺の妹を傷つける奴は!柱だろうが何だろうが許さない!!!」
炭治郎は叫びながら不死川に襲いかかり、不死川は面白そうに迎え撃つ。
「やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!」
今まで動じずに様子を見ていた富岡が叫ぶ。
するとその言葉に一瞬気が逸れたのか不死川が余所見をし、その瞬間。
ゴンッ、と鈍い音を立てて炭治郎が不死川に頭突きをした。
伊之助の時も感じたが、炭治郎の頭突きは本当に痛そうだ。
「善良な鬼と悪い鬼の区別も付かないようなら柱なんて辞めちまえ!!!」
「テメェ!!」
炭治郎と不死川が言い合っていると
「お館様の御成です」
「よく来たね、私の可愛い剣士たち」
産屋敷耀哉の登場に空気が変わった。
「おはよう皆、今日はとてもいい天気だね、空は青いのかな」
産屋敷耀哉は二人の娘に両手を引かれ柱の前に姿を現した。
先日名前が会った時より病状が進み、目があまり見えなくなっているようだった。
柱達は素早く産屋敷の前に整列し片膝を着いて頭を下げた。
炭治郎も不死川に頭を抑えられている。
名前も柱達の後ろに並び、頭を下げた。
「顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えられたこと、さらには新たに柱が加わる事、嬉しく思うよ」
産屋敷が言うと、炭治郎を押さえている不死川が顔を上げた。
「お館様におかれましても御壮健でなりよりです、益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」
不死川の挨拶に、柱達はもう一度頭を下げる。
そしてそのまま、産屋敷に炭治郎と禰豆子の件について説明してもらうよう催促をする。
産屋敷もその話を先にしなければいけないと思ったのかひと息ついて話し始めた。
「炭治郎と禰豆子の事は私が容認していた。そして皆にも認めて欲しいと思っている」
産屋敷の言葉に、柱達は賛否両論だった。
確かに普通に考えれば、鬼を斬ることを目的としているのに鬼を容認しろというのは無理な話である。
すると産屋敷は娘のひなきにある手紙を読むように言った。
それは鱗滝が産屋敷に送った手紙だった。