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日の守護者【鬼滅の刃】

第4章 那田蜘蛛山


炭治郎は目玉の鬼に飛ばされた後、子どもの鬼と戦っていた。


蜘蛛の糸は強く簡単には斬れない。
刀も糸の硬さに負けて折れてしまった。
俺を庇って傷を負ってしまった禰豆子も捕えられてしまった。

そしてなにより、その鬼の左目に入っている数字。


下弦ノ伍。



十二鬼月はこの鬼だった。


どうする、どうしたらいい。
禰豆子を助けるにはどうすればいい。
この鬼を倒すにはどうしたらいい。



落ち着け、感情的になるな。
集中しろ、呼吸を整え、最も精度の高い最後の型を繰り出せ。





「全集中!水の呼吸、拾ノ型!生生流転!!!」





炭治郎が繰り出した技は力を増し、目の前の硬い糸を断ち切った。

いける、と感じた炭治郎だったが、すぐに糸は強度を増して再生し炭治郎の前に展開する。



「もういいよお前は。さよなら」


鬼が血鬼術を使い炭治郎を殺しに掛かる。
先程とは違う明らかに硬い糸に、炭治郎は死を感じる。


糸が迫り来る中、炭治郎は走馬灯を見た。


色々な記憶が一気に頭の中でぐるぐると回る。





その中に、父さんの姿を見た。



小さい頃、ヒノカミ神楽を教えて貰っている時の記憶だ。





「炭治郎、呼吸だ。息を整えて。ヒノカミ様になりきるんだ」


なぜ今その時の記憶が……?



ふと、父さんの声に、誰かの声が重なる。




『炭治郎、よく見ておくように』





名前さんの声だ。






あの時見た、天の呼吸。

ヒノカミ神楽と似ている、この耳飾りの事も知っている。

なぜ見ておくように言ったのか分かった気がした。

ヒノカミ神楽の呼吸だ。

呼吸を切り替えろ。




「ヒノカミ神楽、円舞!!!」





糸が燃え尽きるようにして、斬れた。




……




遠くで色々な衝撃音が鳴り響いている。

富岡がその音の方に向かって行ったので心配はいらないだろう。

名前は辺りに鬼が居ないかを確認しながら隠の作業を見守っていた。


たくさんの仲間が死んでいた。
中には話した事がある顔もいた。

仲間の死だけは慣れない。


『炭治郎……』



思わず心配する声が漏れた。

すると


「伝令!伝令!炭治郎、禰豆子、両名ヲ拘束!!本部二連レ帰ルベシ!!」


鎹鴉が声高らかに叫んだ。
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