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日の守護者【鬼滅の刃】

第3章 もう一つの呼吸


名前は炭治郎達に下がっているように指示をする。
炭治郎は心配に思ったのか炭治郎が名前の顔を覗く。



「で、でも名前さん、相手は十二鬼月です……」
『大丈夫だから』


にっこり微笑んでそう言うと、三人より一歩前に出る。



「いいの?みんなでかかってこなくて?」
『俺一人で十分だよ』
「……むかつくなぁ、むかつくなぁ!!」


鬼は大地が軋む様な音を立ててその姿を変えて行く。
子どもの姿から、屈強な大人の姿になり、気配も変わる。


『成程、姿形さえも変えられるのか』
「そうさ、そうさ!俺はこうして姿を変えて人を騙して食べてやるんだ!!」
『……反吐が出るな』
「むかつくなぁ、手足を引きちぎって食べてやろう」


姿の変わったその剛腕に捕まりでもしたら、骨は簡単に折れ、難無く引きちぎられてしまいそうだ。



名前は鬼と対峙する間の一瞬に、炭治郎の方を向いた。





『炭治郎、よく見ておくんだよ』
「……え?」




日輪刀を抜き、そう呟いた瞬間






『天の呼吸』





大地が揺れ、空気の振動が周りに響く。
そして刀身からは、とても美しい青い炎が燃えるようにうねっている。



その瞬間、名前の姿が消え――――――




『壱の型……暁の虚空』






音が一瞬止まり、次の瞬間には鬼の首が落ちる音が鳴り響いた。







……






何が起こったのかまるでわからなかった。
天の呼吸というのは鱗滝さんの話からも聞いた事がなかった。
名前さんの姿が消え、気が付くと鬼の後ろに居て首を斬り落としていた。
目を凝らして見ていないとわからないぐらいの速さだった。


どこかで見た風景と似ている。
父さんのヒノカミ神楽だ。
見た目は全然違うのだが、父さんが神楽を舞っている時の動き方とよく似ている。
繊細で、音が無く、美しかった



「なっ……?斬られた!?そんな馬鹿な、僕は、俺は、十二鬼月だぞ!?」


地面に落ちた鬼の首が必死に叫ぶ。


『貴方はまだ十二鬼月になって浅いようだね。さようなら』


崩れ行く鬼にそう告げると、名前は刀を鞘へと戻した。
そして、炭治郎の方に向き直す。


『見ていてくれたかな』
「……は、はいっ」



名前は笑顔を作った。
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