第13章 10ページ目 重ねて名付けてミルフィーユ!
「五条くん」
「…なんだよ」
「アドバイスしてくれて、ありがとう」
えへへ、と笑ってお礼を言う。
わざわざ今後の課題をわかりやすく教えてくれるなんて、五条くんはやっぱり優しい。
結界を上一枚分だけ破る、なんて面倒くさいパフォーマンスにも付き合ってくれたしね!
「さっきも言ったけど、お前の為ってワケじゃねぇから。ちょっと思ったこと言っただけ」
「うん。でも、わたしはこれからどうすればいいかわかりやすく言ってもらえてすごく助かるよ。五条くんから見ても、そうなんだなぁって…だから、ありがとう」
「……おう」
ちょっと間を置いて頷いてくれた五条くん。
その頬がうっすらと、少しずつ赤く染まっていくのがわかる。
うふふ、五条くん照れてるのかなぁ。
「お、五条が照れたぞ」
「ああ、顔が赤いな」
「うううるせぇえ!!」
うがあーーっと動揺激しく席を立って怒りだした五条くん。
硝子ちゃんは口だけきゃーと言って素早く逃げ出しわたしの背後へ、夏油くんは楽しそうに真っ赤になった五条くんと手と手をがっしり合わせて組み合った。
わたしは硝子ちゃんに後ろから抱きつかれたまま、あまりに楽しくて笑いがとまらなくて。
しばらくしてやってきた夜蛾先生から「お前ら五月蠅いぞ!!」と言われるまで、みんなずっと騒いでいた。
今度、五条くんにリップについて聞いてみようかなぁ。
あれは魅惑のぷる艶だと思うの。
全女子の憧れだよ、きっと。