第5章 周瑜様、美しすぎるんですけど
孫権が実権を握っている現在。
周瑜は、孫策が亡き後も。
丞相をして恥じない働きをしていた。
「周瑜様ぁ、今日も遅いの?」
これから戦の前の打ち合わせと称し。
酒宴が催されることになっていた。
戦に出ない者は、出入りを禁じられている。
何処で情報が漏れるか、分からないからであった。
「言いふらしたり、しないもん…………」
頬を膨らませ、むくれる小喬。
可愛い。可愛いのだが。
周瑜、困ってるじゃんよ
嫁なら もうちょっと
立場考えてやんなよ
「すまないが、小喬。丞相である私が、破るわけにはいかん」
ごもっともです。
よくぞ、言われました。
そう思いながら
孫尚香の後ろをついて行く。
「なんで早苗はいいのに…………」
私は孫尚香に同行し、
戦に参戦するんで。と、思いながら。
文句言われるのも嫌なんで、黙っておく。
赤壁かあ。
ついに、この時が。
劉備たちと、組む。
みんなに会えるんだ。
元気かなあ。
そんなことを考えながら。
酒宴の席に座る。
作戦など、色々議論しながら。
酒を嗜む 呉の面々。
「不思議な感じ」
気が付いたら。
此処に当たり前のように座っている。
尚香とずっと。
切磋琢磨し、高めてきたつもりだ。
「………討ち取らずに、参ったって言わすんだ」
そうとなれば。気合!
酒瓶に手を伸ばし、ぐいぐい呑む。
「早苗、そんなに飲めたの?」
尚香が驚いた様子で声をかけるも。
気合!と言いひたすら呑み続ける。
・・・・・
黄蓋が渋い顔して飲んでいる前。
早苗は思いっきり、絡んでいた。
「黄蓋のおっちゃんにかかってるからね!」
火計。連環の計だっけか。
燃えろ~ 燃えてしまえ~って
やつですよ。
「ぬ、そうだな」
黄蓋も、覚悟が決まったのか。
ぐいっと注いだのを、飲み干してくれた。
「はい、どうぞ~」
注ぎながら。自分も呑む早苗。
すると、後ろから肩を叩かれた。
「早苗。尚香殿はもう戻られたが」
尚香は早寝だし、
おこちゃまだからいーんです!
早苗はそう言って、また酒を煽る。