第4章 呉-1
現代では。
ひとりの時間が、大好きだった。
好きなときに食べ。
好きなときに寝て。
好きなことして。
そんな休みの日があるから。
仕事、頑張れた。
でも、この世界では。
生きるために 戦をし。
勝った者だけが。
安寧を、手に入れることが出来るのだ。
「みんな、それぞれ。いい人たちなんだよね」
今はこちらにいるが。
赤壁のあと。
呉と蜀の戦いになったら。
私は、劉備や関羽、張飛に。
刃を向けることが、出来るのだろうか。
「………………」
私には、無理です。
出来ないです、絶対。
「戦に出ても。討ち取らなければいいんだよね…………」
いや、しかし。
他の武将が討ち取ったら。
みんな、死―――――
「……………嫌だ、」
自分が。誰よりも速く。
殺さないで、
投降させれるような武将になれば。
誰も。
血を流さずに、済むんだろうか。
「…………やるしか、ない、か…………」
可能性が0じゃないなら。
人生に、目標は必要だし。
「うし!尚香と更に特訓しよ」
自分でもびっくりするくらい。
引きこもり腐女子だったとは思えない。
「戦を経験したから、かもしれないな」