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トリップして「私が真の三国無双」と言いたい

第1章 目が覚めたら三国志の世界って




金曜、定時後。


土日を引きこもるべく
スーパーに寄る。


料理する時間すら惜しい。
出来るだけ、安く時間のかからないもの。

カップ麺は簡単だが、飽きて来る。
ごはんにかけるレトルトとかも。

そんなときは”おとなのふりかけ”。
5種類入ってるのがいいよね。
飽きずに永遠食べていられる。

野菜は高いからあまり買いたくないけれど。
栄養失調になったら流石に不味い。



これでもまだ30前。
公務員という職業は。
毎年の健康診断で何かひっかかると連絡が来て。
改善のためのアドバイスだったり、
カウンセリングだったりをほぼ強制される。

例え放っておいてくれと思っても。
あちらも仕事なのだ。
はい、そうですね、気を付けます。
そう言って、聞くふりくらいしないと可哀そう。



係長が。
尿酸値高くて痛風だった時、大変そうだった。
はがきが送られてきたり。食事の報告だったり。


この年でそんなこと。
絶対やりたくない。



色々考え事をしていると、アパートについた。
私のお城。

両親を説得し、この4月から住んでいる。
お金の面は絶対迷惑はかけないと約束した。

幸い、家賃補助というものがあり、
半額出してもらえるので、
そこまでおんぼろを選ばずに済んだ。







「はー、休みだあ」


ご飯にレトルトカレーをかけ、食べる。
シャワーを浴びたあと。
ベッドに寝転がる。


switchで三国無双を開始。

キャラクターを全員制覇するべく。
ここしばらくはずっとこれ。

自分が好きなキャラからやるから、
段々と、次を悩みだす頃。


「これの前、夏侯惇だったな」


蜀か呉あたりで誰か。

シュンシュンとキャラを確認しながら考える。


「普通だな…………」


劉備。

ベタ過ぎて あえて
手を付けないパターン。
嫌いじゃないんだよ。
定番すぎるってだけで。


「関羽も張飛も足おっそいから」


敵将を出来るだけ討とうと思ったら。
足遅いとイライラしてくるんだよね。
まあ 馬に乗ればいいんだけど。
攻撃後の隙が大きいのも苦手な理由のひとつ。



「あ、」


スイッチを、つい押してしまっていた。
劉備でオープニングが始まってしまう。



「まいっか」



重厚なナレーションからの。
最初の戦いが、いざ。





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