第7章 夢の中の人は。
「・・・祓った、って言うって事はその人も呪術師、、て事ですよね?」
キッチンから憂太君が五条先生に問う。
『多分そうだと思う。その人は八雷神って1級呪霊を取り込む為に来たって…』
「、その男の特徴、覚えてる?」
私の言葉に被せるように五条先生が口を開いた。
『・・着物、、のようなものを着て長髪でした。
優しい雰囲気の人で…あの人もこんな風にハンカチを取り出して手首の止血してくれたんです。』
「・・・・・。」
五条先生は顎に指を当てたまま、黙ってしまった。
その様子を見て、何か不味い事言っちゃったのかな、と不安になる。
「さんの手当てをして、その人はその後どうしたの?」
『・・・確か、新しい世界を作るから、君も一緒に来るかい?って言われて…。
けど、もう1人の女の人に反対されて、、、
あっ!名前…、、夏油様って呼ばれてました!
って言っても知らないですよね、、、』
はは、と苦笑いを浮かべると、
「・・・よーく知ってるよ。」
五条先生が急に立ち上がった。
『・・・え?今、何て、、、?』
「、その日以降その男と会った?」
私は首を振る。
『会ってないです。けど、その人は術師を続けてればまた会うだろうって言ってました。』
「・・・そっか。
憂太、悪いけど僕これからちょっと出るからの事、頼んだよ。」
「え?は、、はい。」
食べかけのアイスをそのままに、五条先生は部屋を出て行ってしまった。
パタン、と閉まるドアを見て、
『・・・私、変な事言っちゃったのかな…?』
不安になり、憂太君に視線を向ける。
「・・分からないけど、多分先生はその夏油って人、知ってるんじゃないかな。」
『・・・知り合い…?五条先生と?』
うーーん…とお互い首を捻る。
この時はまだ私達は知らなかった。
夏油、と呼ばれた人物が五条先生のたった1人の親友だという事を。