第5章 任務
「憂太、待機って言ったでしょー?」
カチャッと刀を鞘に戻した憂太君が頭を下げた。
「すっ、すいません…。」
『えっ?今の連携プレーってやつじゃないんですか?』
「いーや?偶然。
そもそも僕はトンネルの中で戦うと崩落すると思ったから外に誘き出してから祓うつもりだったんだけどね。
入り口に向かう途中で憂太がいる事に気付いたからプランBに変更したってワケ。」
『ぐ、、偶然、、、。』
驚く私の側へ憂太君が駆け寄って来た。
「さん、大丈夫っ?変わり、、ない⁇」
『大丈夫です…なんともないです。』
「心配性だねー憂太は?僕が一緒なんだから大丈夫に決まってるでしょ?」
五条さんが憂太君のおでこをピンッと指で弾いた。
「痛っ!・・そうですよね、、何か落ち着かなくて、つい…。」
おでこをさすりながら憂太君は苦笑いを浮かべた。
「まぁ結局今回もの変化は無かったワケだけど、なかなか一筋縄じゃいかないねー。」
何だか申し訳なく思いつつ、私達は車へと戻り、山を後にした。
それから真っ直ぐ帰るのかと思ったら、五条さんの提案(我儘)でソフトクリームを食べたり、人気のかき氷屋に並び美味しいかき氷を食べたりと、後半はまるで観光に来たかのようだった。
最初はとにかく不安で、呪霊と対峙した時は恐怖でいっぱいだったけど、今日1日2人と一緒にいて、呪術師というものを少しだけ知る事が出来た気がする。
そして改めて、危険と隣り合わせの日々を送る彼らに尊敬の念を抱いた。