第5章 任務
すっかり黒い幕は消え、空には青空が戻っていた。
車の後部座席に座り、ぼんやりと空を見上げながら五条さんが買ってくれた水を流し込む。
赤ちゃんの姿をした呪霊は憂太君によって一瞬で祓われた。
ここは以前、産婦人科の病院だった、と後から新田さんに聞いた。
恐らく産まれるべくして産まれなかった、
また悲しくもお腹の中で命を落としていった胎児が呪霊へと姿を変えたーーー
あの光景が頭から離れず、私はぎゅっと目を瞑った。
一方、が休んでいる車の外では、憂太が五条に報告をしていた。
「さんにあの光景はキツかったと思います…」
「うーん、、やっぱり耐性低いねぇ。
術師としては向いてないかもね。
それで、彼女自身に変化はあった?」
「いえ、、何も…。」
五条は指を顎に当て、うーーん。と何か考え込んでいる。
呪霊を見ただけでは変化なし。
じゃあ身を危険に晒されたら、彼女の中の"もう1人"は姿を現すだろうか…。
ちょっと酷だけど、トライアンドエラー
やってみるしかない。
「憂太、次の任務は僕とでやるから。
憂太は待機ね。」