第5章 任務
それから私達は階段を上がり2階へと足を進めると、奥の病室から異様な雰囲気が漂ってきた。
「さん、1番奥の病室に呪霊がいる。
僕が中に入っても、さんは廊下で待っててくれる?」
『・・・わかり、ました。』
脈が早くなり、心臓がバクバクと音を立てる。
病室のドアは閉められていて中を伺う事は出来ない。
憂太君は背中に背負っていた黒い筒に手を伸ばし、もう片方の手でドアに手を掛けた。
ゴクリ、と唾を飲み込み、廊下から憂太君の背中を見守る。
そして黒い筒から取り出したのは鋭く光る刀だった。
か、、刀、、、⁇
しかもあれ、ただの刀じゃない…。
その刀からは怖いぐらいの"何か"を感じる。
正直、病室の中の気配より、その刀に込められた得体の知れない"何か"の方が怖いぐらいだ。
「開けるよ?」
肩越しに憂太君が呟き、咄嗟に頷くと、
バンッ
ドアが開き、中の光景が目に入った瞬間、目を見開いた。