第11章 再会
術師だけの世界?
そんなのめちゃくちゃだ。
その為に非術師、一般市民を殺すなんて…
ーーーーけど、何故か夏油さんが悪い人には見えなかった。
話している内容はとても残酷なのに、、、。
掴めない、不思議な人だーーーーー。
そんな事を考えながら1人取り残されたベンチでぼんやりと雲ひとつ無い空を見上げる。
"絶望"
あの人の言う様に、私はこの世界に絶望しているのかもしれない。
母を亡くし、唯一の友人も居なくなった。
高専に入り、仲間と呼べる人達が出来たけど…死と隣り合わせの呪術師だ。
あの人の言うようにいつ死んでもおかしくない。
ーーーもうこれ以上、大事な人を失いたくないのに…。
何を正義とするか、何を正しいと思うか。
私の中で僅かな迷いが生まれた。