第11章 再会
病院に着き、地下へとエレベーターで降りる。
本当だったら明日、お見舞いに来るはずだった場所…。
積もる話をして、退院したら何食べる?とか、一緒に買い物もして、離れて暮らすなら携帯買わなきゃだよね、、とか…。
私にも友達出来たんだよ、、、って話したい事、いっぱいあった…。
まさかこんなカタチで再会するとは想像もしていなかった。
霊安室の前に着くと、早苗さんが背中を丸めて長椅子に座っていた。
『・・・早苗、、さん、、』
早苗さんはハッと顔を上げ、私に気付くと顔を歪ませて駆け寄ってきた。
「っ!」
手を広げ、ぎゅっと私を抱きしめると嗚咽を漏らした。
「こんなっ、、こんな悲しい再会ってあるかい?
うっ、、うぅっ、、」
私は小刻みに震える早苗さんの背中を撫でた。
『あかりちゃん…何で自殺なんか、、、』
「・・・あの子、入院中誰とも会わなかったの。
私も来たけど…カーテン越しに少し話して帰ったわ。」
『・・・早苗さんにも?』
早苗さんは小さく頷き、持っていた手紙のようなものを私に手渡した。
「これが病室に残されてたって。
謂わば、、遺書みたいなものね…。
私がもっと早くに寄り添ってあげれたら、、
うっ、うぅっ、、、」
顔を手で覆い、泣き崩れる早苗さんの肩を支える。
そして後ろにいた3人に視線を向け、
『憂太君、真希さん、狗巻君、申し訳ないんだけど、上のロビーで待っててもらっていいかな…?
私は大丈夫だから、少し早苗さんについていてあげたい…。』
3人は顔を見合わせた。
現には正気もあり、取り乱す事もなく逆に冷静で落ち着いているように見えた。
「・・・分かった、上で待ってる。憂太、棘、行くぞ?」
「・・・しゃけ。」
「う、うん…。」
振り向く憂太君に私は口元を緩め大丈夫だと頷くと、何故か憂太君の方が泣きそうに眉を下げていた。