第5章 【呪術廻戦】ネタの続きでネタ3(世界融合設定5)
「ねぇ、夢主…っと」
さらに畳みかけようと目隠しに指をかけたところで、体の力が抜けた夢主の手からコーヒー入りのカップが落ちそうになり反射的に受け止めた。
「っ…す、すすみません私っ、力が抜けて…!コーヒー大丈夫ですか?こぼれてません!?」
「あー、大丈夫大丈夫!こぼれる前にちゃんと受け止めたから」
「…よかったです。本当にすみませんでした」
「そんなに気にしないでよ。元はといえば僕のせいなんだしさ」
いやほんとにな。と夢主の頭の片隅が突っ込むものの、やはり落としてしまうこととそれは別問題なので五条にそう言われてほっとした。
「それにしても、さすがですね五条さん。咄嗟に中身をこぼさず受け止めるなんて」
「そんな凄くもないでしょ、これくらい」
「いや凄いですって、もし出来ても絶対にコーヒーこぼれますよ。けっこう中身入ってますもんコレ」
自分にとってはただ手を動かした程度に些細なことだったのだが…拳を握ってすごいさすがと力説する夢主に、五条は苦笑を浮かべながらも満更ではない気分になった。
彼女の褒め癖はいつものことだし、悪い気持ちもしないし…まいっか。
そうして膝抱っこへの疑問をすっかり忘れてしまった夢主と共に穏やかなティータイムを過ごし、五条にとっては珍しく平和な一日が終わろうとした頃。
眠りにつこうとした五条の瞼裏に夢主の顔が映し出された。
それは落ちそうになったコーヒーカップを受け止めたときの、五条を褒め称える姿。
一定の距離を置いて隙あらば離れようとする時とは違い、こちらを真っ直ぐに見上げて素直な賞賛をくれる彼女は文句なしに愛らしかった。
日本人に多い色の瞳は、とてもきらきら輝いて見えて…
きらきらと、輝いて見えて…
…………
「…‥え。まさか…」
暗くなった寝室に、呆然とした呟きだけが落ちた。
(つづく…??)
(無自覚。無自覚で態度に出ているといい)
(そして無自覚からの自覚で呆然&悶々として欲しい)