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(HQ) 結婚するまで帰れません 岩泉一

第7章 合宿(後編)


≫花巻side


俺はどうしても芽衣ちゃんと話がしたかった。戸締りや最終チェックをしてる中、他の三人の目を盗んでこっそりと声をかける。

「芽衣ちゃん!今回は本当にありがとう」
「んーん、私も楽しかった」
「岩とは結局どんな感じだったの?芽衣ちゃんのこと心配して先に抜けるくらいだから脈はあるんじゃないかって思ったけど」
「せやねん、色々あったけど結果的にええ感じになれたかなって自分でも思っててん」
「マジで?なら良かったじゃん」
「うん」
「でもさ、先輩を敵に回したわけじゃん、それは大丈夫なの?」
「そうやね…、あんまり目立たんようにしようと思ってたから実際ここまで嫌われるのって想定外やったけど私も腹たったし言いた事言うてスッキリってとこかな?」
「いやそれ大丈夫じゃなくない?仕返しとかされたら…」
「そんなもんやられたら倍にしてやり返すに決まってるやん。こんなんで負けてたら嫁に行けへん」
「え、嫁…?どういうこと!?」
「あ、私、言うてなかったかな?私の最終目的は一君のお嫁さんになることやで」
「マジで…!?え、そうなの!?」
「家庭事情含め色々あって、そこは省くけど、一君と結婚するためにこっち来てん。嫁にいかな帰られへんの、私」
「本気なの?」
「そう。本気」
「そこまでストイックな芽衣ちゃん、凄い。凄い通り越してめちゃくちゃ格好いいかも。いや、これは尊敬する…」
「おおきに。ほな、これからも協力してくれる?」
「もちろん」
「でも内密にやで?一君の前ではまだ猫かぶってるから」
「任せといて。俺、何でも協力する」
「頼しい味方ができた。それに花巻マッキー君はこっちでできた友達一号やし」
「何それ、すげぇ嬉しいんだけど」
「こっち来て一君以外と話して面白かったのは花巻君やし。…改めてこれからもよろしくね」
「こちらこそ。二人を全力で応援するよ」

最初に会った時とは随分と違って見える屈託ない笑顔。及川じゃないけど実際、めちゃくちゃ可愛い。岩しか見えてないから俺がこの恋路に参戦することはないけど、二人を一番近くで応援したい。芽衣ちゃんの夢が叶うように。


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