第1章 【2度目の恋_シゲ編】
幼稚園の頃、隣に越してきた。
何かしようとすると必ず躊躇うオレに、いつも発破掛けてくれたっけ。
「だいじょーぶ。シゲくんならできるよ!」
今でも、その言葉を時々自分で呟くんだ。
机の引き出しに隠した、まだガキんちょのの写真を見ながら。
”シゲくん。”
不意に聞こえた気がして振り返る。
もちろん、居るはずなんてない。
だってここは、ホテルの部屋なんだから。
「大阪の土地を踏むと、何でこうもシンミリすんのかね?」
自嘲気味に笑う。
明日はコンサートだ。
ファンのためにも、一緒に来てくれたJr.やスタッフのためにも。
成功させなきゃならん。
「んじゃ、今日はもう寝ますかね。」
そう呟いて、オレはベランダから室内へ戻ったんだった。