第67章 ★ 初めまして〈Ⅱ〉 ★ 夢主視点 ★ ① ★
しばらくしてロー達に目を向ければ
雲母はベポ達と遊んでいて
冥母は静かにローの膝の上で丸くなっていた
ローは黙って冥母の背を撫でていたけど
ローの頬が少し緩んでる様に見えて面白かった
ローって動物が好きだよね。可愛い
ある程度の準備が出来た頃には日が暮れててご飯を食べる事になった
雲母達も着いてきた
雲母はジャンバールの頭の上に座って目を輝かせて
冥母はローが気に入ったのかローのフードの中に入ってた
「ふふっ。皆と仲良くなって良かった」
楽しそうな雲母を見ながら呟く様に言えば隣にいたローに聞こえたのかローの視線が私に向いた
ロー)「こいつらが仲良くならないと思ったのか?」
「それもそうだねー。でもローって動物が好きだよね。私も好きだけど…さっきのロー可愛かったよ」
ロー)「…」
笑いながら言えばローは視線を外して帽子を深く被って少し早く歩いた
私はそれがおかしくて…小さく笑って後を追いかけた
ローの手を取ってローに顔を向ければ一瞬私を見てすぐ前を向いた
私もローから視線を外して前を見れば賑やかな彼らが見えた
新しい島だから…皆楽しそうだった
「…雲母は問題ないと思ってたんだけど…冥母はね、ちょっと特殊な子で…色々あって人が苦手と言うか…あまり人に懐けなくて…」
ロー)「…」
「だからローに懐いてくれて嬉しいんだ…その子…カカシも駄目だったから」
カカシも駄目だった
ちょっと問題があったんだ
動物の姿のままなら問題ないんだけど
あの事があってから冥母は《人間》が駄目になった
今ではだいぶ慣れたんだけど
下を見ながら呟けばローと繋いでた手が離れて頭を撫でられた
帽子がズレて直しながらローに目を向けても何も言わなくて私も何も言わなかった
前を歩いていたベポ達が『ここで飯にしましょ!』と声をかけてきた
2人で視線を向ければベポとシャチがあるお店を指でさしていた
ローとそこに目を向ければそこは
普通に酒場だった
散々ローに『駄目だ』と言われ続けた酒場だった