第58章 ☆ 出港 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
「…やっぱりローがいるとよく眠れそう。ローは暖かいね」
ロー)「…俺もお前がいればよく眠れる。今は寝る事だけ考えろ。好きなだけここにいてやるから」
「…私が起きるまでいてくれるの?」
ロー)「あぁ。船の事は任せてきたからお前が起きるまでいてやるよ」
「ふふっ…ありがとぅ、ろぉ…好き、だよ」
ロー)「…あぁ…俺も…好きだ」
最後の言葉まで聞こえただろうか
『好きだ』
この言葉は最初に言ってからほとんど言った覚えがない
だが、アヤはよく言ってくれた
それだけで安心出来た
アヤの体から力が抜け寝息が聞こえだした
俺はアヤの後頭部に抱き締めるように手を回しおでこにキスを落として髪の毛に顔を埋めた
俺はアヤが寒くないように布団と能力を使って本を手元に出した
布団を被せて本を読んでアヤが起きるのを待つ
普段俺もアヤを抱いて寝てるからアヤの体温に少し眠くなる
今後の事を少し考えていたらアヤが俺の首元に頭を擦り寄せた
起きたのかと思ったがすぐに寝息が聞こえた
しばらくして…寝言か…小さく呼ばれる俺の名
俺は本を閉じアヤを抱き締めて
片手で頭を撫で、空いてる片手を繋いで静かに目を閉じた
いつの間にか俺も寝てたらしい