第54章 ★ 顔 ★ 夢主視点 ★ ① ★
*♡*
ローは私を無視して別の所を噛み付いた
「痛いんだけど」
文句を言ってもやめてくれないロー
私は動かせる範囲で体を動かして抵抗したらやっと止めて顔を上げてくれた
「優しくしてくれないの?」
眉間に皺を寄せたまま言えばローはさっきと同じ顔で私を見ていた
「ロー?」
ずっと無言のままのローに疑問を持って首を傾げた
ロー)「…今じゃ駄目なのか?」
「え?」
ロー)「…過去じゃなくて、今じゃ駄目なのか?」
「…ロー?」
ローか変な顔してる
困ったような…いじけてるような…泣きそうな顔だ
ロー)「俺の今はお前だけだ。それじゃ駄目なのか?」
そんな顔してそんな事言われたらムカつくけど
「…はぁ…いいよ…私は優しいから…許してあげるよ。それで」
ロー)「許すってなんだよ」
「…ローが…あなたが私だけに夢中ならそれでいい」
私が目を細めて微笑めばローは一瞬目を見開いて笑みを浮かべた
その笑みに安心した
よかった
笑ってくれて
ロー)「そうだな。お前しか見えない。これからもアヤだけだ」
「ふふっ。他の人にそんな顔向けたら許さないから」
ロー)「お前だってそんな顔、他のやつに見せたら殺すからな」
「見せないよー。怖ーいお兄さんに殺されたくないもの」