第50章 ★ お願い〈Ⅱ〉 ★ 夢主視点★ ① ★
ローから聞いた過去
話し終わった後私は「生きててくれてありがとう」と言って「愛してるよ」と言った
前にも言った事あるけど…
でも…今言わなくちゃって思ったから…
ローは目を見開いていた
ローに「泣く?」と聞けば「うるせぇ」と返ってきてその反応が予想通りで少し笑った
「泣いていいよ。私海を見てるから」
と言いながらローの背に背中を合わせるように座った
前と逆だ
ロー)「…そっちは海じゃねぇぞ」
「いや、海だよ」
ロー)「…」
「海は広いんだよ。みんな包んでくれる。嬉しさも悲しみも全部」
ロー)「…」
「だから海を見て泣いたらいいよ。ここだけの秘密」
ロー)「…」
「なんなら胸貸してあげようか?私の胸は高いけど」
冗談のように笑ったら「…つけとけ」って返ってきた
「…仰せのままに…」
私はローの前に移動してローの帽子を取り自分で被った
そしてローの足を動かして足の間に向かい合わせの様に座ってローの顔を見た
ローの目が潤んでいて私は少しでもローが安心出来るように微笑んだ後膝立ちしてローの頭を両手で優しく包んで胸元に持っていった
ローは唇を噛み締め私を抱き締めて震えていた
私は目を閉じてローの頭に顔を寄せて抱き締めて落ち着くまでゆっくり撫でた
…少しでも…ローが…
ローの事を願って抱き締めた