第16章 ★ 手合わせ * 夢主視点 ★ ③ ★
ローは黙って包帯を巻いてくれた
巻き終えて服を着ようかと思った時
ローが口を開いた
ロー)「お前は拷問を受けた事があると言っていたな」
「ん?」
私はローに脱がしてもらった服をどこに置いたか聞こうとした時に言われた事
ローに顔を向けた
急に言われたから怪我の事かと思った
一瞬なんの事か分からなかった
ロー)「ベッドで寝る前に話してただろ?忍者の事」
…拷問…聞き間違いじゃなかった
あ、あれか。暗部の仕事の話か
…言うんじゃなかったな
いくら眠たかったからといって馬鹿だな。私
「…忘れてよ。あんな話」
ロー)「忘れる訳ねぇだろ」
即答された事に驚いた
ってかあんな話…
「覚えててもいい事ないよ?」
ロー)「それは俺が決める」
覚えとく必要ある?
意味わからない
私はローから視線を外して
「そう…物好きね」
なんもいい事ないだろうに
ロー)「…拷問を受けたことがあるにしては綺麗な体だな」
私は目を見開いて後ろにいたローを見た
ローは普通の顔していたどうした?と聞いてきた
え、いや、だって、え?
「…今までそんな事、言われた事なかったから」
私は視線を戻して言った
「そんな事…言ってくれる人もいなかったし」
だんだん恥ずかしくなってきた
「…なんか、恥ずかしい」
後ろ向いててよかった
絶対!今!顔!紅い!やばい!
見られたくないんだけど
ローは何を思ったのか私を後ろから抱き締めた
私の首元にローの腕
胸の前でクロスされる腕
頭に乗るローの顎
「…ふぇ?!」
一瞬思考が停止した…
恥ずかしくて驚いて変な声が出た
なになに?!何事?!
なんで、なんで抱きしめられてるの?!
ロー)「これから」
「ふぇ?!」
ロー)「これから寝る時は俺の部屋のベッドを使え」
「え?!」
ロー)「返事」
「うぇ、…はい」
ロー)「いい子だ」
そう言ってローは私の体を離して頭を撫でた
驚いた
ローってそんな事出来たんだ
なんか、恥ずかしい!!
意味分からんないんだけど!
2024.01.10