第95章 ★ 出発・再会 ★ 夢主視点 ★ ① ★

嚇母）“あ、忘れてたけど…”

「え？…まだなにかあるの？」

嚇母）“ローとの子供…産みたいなら言いなよ…アヤの子宮を覆ってるチャクラを取り払ってあげるから”

「……」

嚇母）“…まだ…産みたくないんだろ？”

「…っ、」





嚇母の言葉に
思わず視線を逸らしてしまった


だって嚇母がお母さんみたいな顔してたから


いや、お母さん知らないんだけど
なんか、そんな感じがしたから





嚇母）“それも…覚悟が決まったら…言いな”





優しく話す嚇母





「…わ、たし…は」

嚇母）“…うん”

「正直…ローのと間に子供が出来たとして…その子に、なんも影響出ないなら…って、思ってる」

嚇母）“影響？”

「…私が異世界人ってのは…変わらない事実で…皆と…違う、体の作りで…それが何も…子供に影響出ないならって…思ってる」





あの祭りで精神が入れ替わって
改めて違う体だと…違う人間だと思った


だから、余計に…不安なんだ


どうなるか分からないから






嚇母）“…まぁ、そればっかりは…僕も分からないな…”

「それに、今は孕みたくない…いつ死ぬ身か分からない状況であっても…今子供が出来たら…それこそ戦えなくなる…それは、」

嚇母）“…そうだね…怖いね”

「…もし子供が出来て…死ぬつもりは無いけど、私が死んだら…それが、産む前だったら…ローは私だけじゃなくて、子供も失う事になる…嚇母との契約の事もあるけど、もし…そう考えたら…」

嚇母）“あー分かったから…ごめんって…考え無しに言った僕が悪い…”





嚇母は自然と視線を下げていた私の目の前に出て
励ますように胸の前で握りしめていた手の上に
小さな手を置いて私の顔を見た







嚇母）“それは君が1人で考える事でもないし、もし影響が出ても彼らならなんとかしてくれると…大丈夫だと思うよ…だからそんな顔しないで”

「…ローは、欲しい…の、かな？」

嚇母）“…さぁね…それは帰ってから聞きな”

「…聞く勇気があればね」

嚇母）“…早く行こう”

「…うん」






確かに1人で考えても悪い方に考えてしまう

後で考えよう

とりあえず今は目の前の事を優先しよう








そう思ったけど
ローに会いたくなった