【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第23章 Dawn19.動物と絆-偽幻-
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佐「…ハァ……ハァ…」
足元には、目を閉じて仰向けに倒れているイタチ。
絶(イタチが…倒れた……?)
ゼツは眉をピクピクと震わせ、目の前の光景を疑った。
絶(サスケノ…勝チダ…)
太陽の光が遮られ、黒い雲が影を落とす。
それはやがて自然と雨を降らせ始める。
気付いた頃には、ザァザァと音を立てる程豪雨となっていた。
佐「………」
サスケは立ち尽くし、冷たい雨に打たれる。
鼓動する胸。
泣いている空。
サスケの中で、忘れていた大切な"何か"が失くなった気がした。
漆黒の瞳がイタチを映す。
サスケは虚ろな目で静かに見つめた。
額に染みたイタチの血の痕がサスケの左目に流れ込み、頬を虚しく過ぎていく。
まるでそれは泣いているかのように――…
ポタリと血の雫が落ち、空に再び雷鳴が轟いた。
サスケはそのまま目を閉じる。
ドシャッ
瞳が閉じられると、サスケも仰向けになり、冷たいコンクリートの上に倒れた。
鼬「……………」
佐「……………」
兄弟は頭と身体を逆にして、ひどく冷たく悲しい雨の雫に打たれ続ける。
それは、二人の決して交わることのなかった運命を表しているかのようだった………
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