【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第3章 Dawn1.始まりと朝
鈴「やめて!!」
少女が頭を抱えながら急に飛び起きる。
少女ー…リンは顔面蒼白だった。
脂汗がツツツ―…と額から頬へと伝い、呼吸が乱れている。
背中にヒヤリと冷や汗が流れ、悪寒に似たような感覚が脳に伝わった。
ベッドが少し乱れている。
リンは顔を青くしたままゆっくり周囲を見回す。
いつもと変わらぬ部屋。
いつもと変わらぬ風景。
いつもと変わらぬ時間。
鈴「ハア…ハア……夢、か…」
いつもの朝の訪れーー…
リンはベッドから降りると、何だか重たい身体を引きずるようにして洗面所に向かう。
蛇口をひねれば、透明な水がリンの手をひんやりと濡らした。
それを両手ですくい上げ、悪寒の名残を全て身体から消すように何度もピシャピシャと乱暴に顔にかける。
その水の冷たさが今のリンには心地好かった。
彼女は近くに置いてあったタオルを手に取り、顔についた水滴を拭う。
少し手を止め、目の前の鏡に映った自分の虚像を見る。
すると、彼女はその虚像ににっこりと笑顔を向けた。
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