【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第21章 Dawn17.愛と誓い-消失-
――――――――――…
マダラは電気もつけず、窓越しに沈みゆく夕陽に溜息をついた。
斑「リン…」
あれから仕事もろくに手がつかない。
斑(まだお前に言えないんだ。本当の事を…まだ……)
マダラはこうして生きてきて初めて、自分の置かれている状況を悲観した。
―――…
鈴「あなたの何を信じて……あなたの言葉を信じればいいんですか…っ…?」
―――…
――…本当にその通りだ。
俺はリンの事を知っていても、リンは俺の事を何一つ知らない。
俺を信じる事ができなくても、無理はないのかもしれない。
信じる事と愛する事は違う。
俺は自分なりにリンを大切にしてきたと思っている。
だが、それはただリンに自己満足で愛情を注ぐだけで、俺の想いが十分伝わっているのかはわからない。
いや…何も教えない癖に想いが伝わるなど都合がいい。
……伝わるはずがない。
斑「はぁ…」
マダラは思わず溜息をついた。
命より大切なリンをあんなに泣かせてしまっても――…
最早後戻りはできず、どうする事もできない自分に憤りを感じずにはいられなかった。
斑「…会って話すしかないか」
_