【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第20章 Dawn16.自尊と涙
佐「……ッ…」
サスケは灰色の爆風の中から薄茶色の蛇を伸ばし、木の幹に巻き付ける。
そして、煙から出て太い枝に着地すると、呪印を解き、普段の姿に戻った。
サスケの後ろには、落ち着いてきた爆風に乗り、揺らめく赤雲の描かれた漆黒のコート。
明らかに、デイダラの物としか考えられない。
先程の爆発で持ち主を失ったコートはユラユラと煙に舞う。
バサッ
「この…くそガキがぁあッッ!!!」
落下していくコートの後ろから、あまりの怒りに雄叫びを上げて現れたのは、他ならぬ爆死したと思われたデイダラ。
佐「しぶとい…」
サスケはその場から上を見上げてそう呟いたが、特に動じず、生きていたデイダラを見据える。
コートを着ていないデイダラは網目状の薄暗めの青い忍装束姿だった。
彼は新たに作った鳥形粘土の背中に立つ。
眼下のサスケを見下ろしながら、じっとその赤き双眼を見つめていた。
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