【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第17章 Dawn14.不死と願い-死神-
鼬「リン…」
すると、イタチに後ろから声をかけられ、リンはまたイタチの方に振り向いた。
鼬「………すまない。何でもない」
しかし、イタチはそう言ってうつむいた。
彼の中でリンの笑顔と幼き日のサスケの笑顔が重なった。
リンが行ってしまえば、あの頃のサスケもいなくなる――…
そんな気がした。
リンは不思議に思い、イタチのどこか寂しそうな表情に眉を下げたが、また少し微笑んだ。
鈴「今度…おいしい甘味処連れてってくれますか?」
イタチは一瞬わけのわからなそうな顔でリンを見た。
鈴「マダラさんに怒られちゃうかもしれないけど、イタチさんの方がそういうの詳しそうだから…」
リンはえへへと苦笑いしながら言うと、イタチもフッと微笑みを浮かべた。
鼬「あぁ…。今度な」
リンもパッと明るい笑顔になる。
鈴「楽しみにしてますね」
リンは笑顔のままそう言って部屋を出ると、スキップで次の部屋に向かった。
鼬「…見透かされた気分だ」
イタチはそう言いながらも、ドアを見て優しく微笑む。
しかし、すぐに顔を歪め、胸を押さえた。
鼬「ゴホッ…ゴホッ……!」
急に咳込み始めたイタチは口を右手で押さえ、しばらく咳が止まらない。
落ち着いたところで、口から右手をゆっくり離した。
鼬(どうやら俺にはそんな時間さえ残っていないらしい…)
イタチは赤くなった右手を見つめると、ギュッと強く握った。
鼬「サスケ…そろそろだな…」
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