【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第14章 Dawn12.芸術と約束-比肩-
祖母であるチヨの顔を見たサソリの脳裏には、あの時自分が倒れていく直前に、チヨがサクラに施していたあの術が思い浮かんだ。
蠍(俺のために…あの術を…?)
あの時、"転生忍術"と確かにチヨは言っていた。
蠍(俺のための…傀儡にさえ命を吹き込める…転生忍術…)
その時、サソリは全てを悟った。
幼い頃に両親を亡くし、ひとりぼっちだった自分――…
失ったぬくもりを求め、懸命に造った"両親"の人傀儡――…
完成した時は本当に嬉しくて、チヨにもたくさん褒めてもらった。
しかし、それはただの傀儡でしかなかった。
少しでも糸を緩めてしまえば、父と母に両腕でしっかり抱きしめられていても、カシャンと悲しい音を立てて父と母は倒れる。
そこに求めていた温もりはなかった。
蠍(俺のために…俺の父と母の傀儡に命を吹き込むためにーー…)
_