【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第14章 Dawn12.芸術と約束-比肩-
飛「そういやァ、さっきデイダラちゃんが2階に上がってったけどどうしたんだァ?」
いつもの口調で聞く飛段に、小南がつらそうな表情で答える。
小「サソリのところに行ったのよ」
飛「あ、やっぱそうだよなァ…」
メンバーは今のデイダラの気持ちを考えると、どんな言葉をかけ、何をしてあげたらいいかわからなかった。
鈴「……すみません。ちょっと外の空気吸ってきます…」
痛「一人で平気か?」
鈴「離れたところには行かないから…」
居た堪れたくなったリンはそう言ってアジトを出た。
外はまるで昨日とは大違いの憂鬱な天候。
まだ時刻は11時くらいだと言うのに灰色の空。
土砂降りの雨だった。
そんな中、傘も差さずに空から降ってくる冷たい雨に濡れた。
鈴(風邪引いちゃうかも…)
そんなことをぼんやり考えながらしばらく歩いていた。
すると、背の低いおばあさんが近くの大きな木影で雨をしのいでいるのが見えた。
リンに気が付いたそのおばあさんは少しだけ目を見開き、彼女に近付いてきた。
「そのコート…おぬし、"暁"じゃな?」
鈴「あなたは…?」
リンは"暁"であることがバレてしまったにもかかわらず、無気力で虚ろな目でおばあさんを見る。
「ワシは砂のチヨという者。"暁"の者を探していたんじゃ」
鈴(砂隠れの…チヨ…?)
どこかで聞いたことのあるような名前に、思考が停止していた脳の記憶を辿る。
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